薄毛の対処法|育毛剤が男性型脱毛症にもたらす効果とは?
育毛剤には男性型脱毛症(AGA)に対して本当に効果をもたらしてくれるのでしょうか?
男性型脱毛症(AGA)に効果をもたらすのされているのが育毛剤です。
でも、疑ってしまうこともありますよね。
「本当にAGAに効果があるの?」と思っている人も多いのではありませんか?
当記事では、医学的にAGAに対する発毛効果が認められている成分と同等の効果が期待されている育毛成分を明らかにします。
医学的に発毛効果があるとされる成分と同等の成分が含まれていれば、AGAに対して高い効果が期待できそうですよね。
読めば育毛選びの参考になるはずです。
ぜひじっくり読んでみてください。
目次
AGAに対する効果が医学的に認められている成分をチェック
AGAに対する効果が医学的に認められているのは以下の3つの成分です。
以上の3つの医薬発毛成分について、効果と臨床試験結果をお伝えします。
ミノキシジルの効果と臨床試験結果
ミノキシジルの主な作用は血管の拡張であり、塗布した部分に対して血流を促進させる効果があります。
血管を拡張せることにより、髪の毛を作る細胞(毛母細胞)に栄養がたっぷりと送られます。
毛母細胞が活性化させることで、髪の毛が生えてくる。すなわち発毛効果が期待できるわけです。
男性型脱毛症(AGA)の治療薬としても認可されており、リアップやロゲイン、カークランドなどとして実際に販売されています。
以下に、ミノキシジル5%製剤の有効性および安全性を確認した臨床試験成績があります。
出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/riup/sd/concept/data.html
著名改善の率は低いものの、悪化した割合は極めて低くほとんどの人に発毛効果が認められている訳です。
特に20週後程度から「中程度改善」の割合が増えている点にも注目です。
5ヶ月程度は継続して利用すると、効果が得られる可能性が高くなると考えられるわけです。
フィナステリドの効果と臨床試験結果
フィナステリドには、脱毛の原因物質であるジヒドロテストステロンの産生を抑える機能があります。
男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼと結合してジヒドロテストステロンが生まれてしまうと、男性型脱毛症が発症しやすくなってしまうのです。
フィナステリドには、テストステロンをジヒドロテストステロンに変える5α-還元酵素II型の働きを阻害する効果があるわけです。
つまりジヒドロテストステロンの生成量が少なくなるので、男性型脱毛症が改善する、と言われています。
以下に、フィナステリドを含んでいる発毛剤であるプロペシアの臨床試験データを掲載します。
出典:https://www.msdconnect.jp/products/propecia/medical_3y.xhtml
薄毛が改善した人の割合がだんだん増えていることがわかります。
維持を含めて98%もの人に効果があったのです。
デュタステリドの効果と臨床試験結果
デュタステリドには、脱毛の原因物質であるジヒドロテストステロンの産生を抑える機能があります。
「フィナステリドと効果が一緒じゃないか」と思った人もいるでしょう。
実は少し異なっており、デュタステリドのほうが高い効果があるとされています。
実はテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α-還元酵素(5αリダクターゼ)には2種類(Ⅰ型とⅡ型)あることがわかっています。
フィナステリドはⅡ型のみに対応でき、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方に対抗できるのです。
つまりフィナステリドで効果が得られなかった人でも、デュタステリドであれば効果が得られる可能性も!
ではデュタステリドの臨床試験結果について確認してみましょう。
男性の男性型脱毛症患者に本剤0.1及び0.5mgを1日1回24週間反復経口投与したとき、24週時の血清中ジヒドロテストステロン濃度はベースラインからそれぞれ83.6及び90.9%減少した。
デュタステリドを利用した男性型脱毛症患者の血液中のジヒドロテストステロン量が、8割から9割前後も減少していることが確認されています。
男性の男性型脱毛症患者に対する投与24週時の毛髪数(直径30 μm以上)のベースラインからの変化量[調整済平均値(標準誤差)]は、プラセボが-4.9(7.89)本、デュタステリド0.02mgが17.1(7.74)本、0.1 mgが63.0(7.67)本、0.5 mgが89.6(7.87)本及びフィナステリド1 mgが56.5(8.12)本であり、プラセボでは減少したが、デュタステリドでは用量依存的な増加が認められた
毛髪本数がデュタステリドを利用する事で増えることが確認されました。
さらにフィナステリドを利用したケースと比べても、優位性が確認できたのです(デュタステリド0.5mgとフィナステリド1mgの比較)。
⇒⇒⇒医薬発毛剤の効果と種類
使用は要注意!医薬成分には副作用あり
医学的に効果が認められている発毛剤には問題点もあります。
実際に効果が得られない人も少なくありません。
特に発毛剤で気をつけなければならないのが副作用です。
性的な副作用が多く発生しており、子作りに影響を与える可能性まで・・・。
こちらでは医薬発毛剤の副作用について解説します。
ミノキシジルの副作用とは?
ミノキシジルでは以上の副作用が報告されています。
ミノキシジル5%製剤の臨床試験における副作用の発生報告は以下のようになっています。
副作用発現症例は3,072例中271例(8.82%)、378件であった。378件の内訳は、「適用部位そう痒感」123件、「適用部位発疹」43件、「頭部粃糠疹」33件、「接触性皮膚炎」32件、「適用部位紅斑」31件、「適用部位刺激感」13件、「頭痛」10件、「浮動性めまい」「動悸」「適用部位乾燥」「血圧上昇」が各6件
ミノキシジル5%製剤を利用した人のうち約9%の人に副作用が発生したのです。
主な副作用は頭皮の異常であり、痒みや発疹、そして炎症や赤みが報告されています。
頭痛やめまい、血圧の上昇など、循環器に関わる副作用報告もあるので注意しなければなりません。
紹介した副作用のデータは外用薬としてのものです。
ミノキシジルタブレット(ミノタブ)は全身に対して影響を与えるものであり、副作用の中身も大きく変化すると考えられます。
フィナステリドの副作用とは?
副作用の確率はそれほど高くはありませんが、性的な問題が起こる可能性が指摘されています。
以上の副作用報告があります。
国内で実施された臨床試験(1年間)において、4.0%(276例中11例)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められています。主な症状はリビドー減退1.1%(3例)、勃起機能不全0.7%(2例)等でした。
フィナステリドに関しては男性にホルモンに対して一定の作用があるため、性的な機能に問題が起こる可能性があります。
副作用の確率に関してはかなり低めですが子作りがしにくい体質になる恐れもあり、継続利用に関しては注意を要します。
デュタステリドの副作用とは?
デュタステリドはフィナステリドと機能が似ており、副作用の内容も似通っています。
性的な副作用報告がされているのですが、デュタステリドの場合はフィナステリドに比べ副作用の発生確率が高い点も指摘しておかなければなりません。
本剤が投与された総症例557例(日本人120例を含む)中、95例(17.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、勃起不全24例(4.3%)、リビドー減退22例(3.9%)、精液量減少7例(1.3%)であった。
出典:http://www.pmda.go.jp/drugs/2015/P20151001001/340278000_22700AMX01012_B100_1.pdf
20%弱もの人に副作用が発生したのです。
ちなみに日本人のみの検査結果を抽出してみると、勃起不全の確率が一気に10.8%まで跳ね上がります。
なんと1割を超える人にEDの症状が現れてしまいました。
デュタステリドを利用すると、精力が一気に減退する恐れもあるわけです。
もちろん医学的な効果が高いとされている発毛剤を利用することも否定はしません。
しかし頭皮に異常が発生したままの生活は辛いですよね。
髪の毛が生えても勃起不全になれば、自分に自信を持てません・・・。
そこで利用してほしいのが育毛剤です。
ミノキシジルと同様の効果が期待できる育毛剤に含まれている成分6つ
ミノキシジルには血管を拡張する作用があるので、同様の機能がある成分であれば男性型脱毛症は改善するはずです。
こちらでは育毛剤に含まれる安全性の高い血管拡張作用のある成分を紹介しますね。
イチョウ葉エキス(イチョウエキス)
乾燥したイチョウの葉から抽出される成分です。
イチョウの葉に含まれる「フラボノイド配糖体」と「テルペンラクトン」には、脳の血流を改善させる作用があることでも有名。
抗酸化作用も期待でき、頭皮の酸化を防ぎ抗炎症作用なども期待できます。
エビネエキス
エビネ蘭から抽出されたエキスです。
「カランテサイド」と「グリコインディカン」と呼ばれる成分が入っており、血行促進をサポートしてくれます。
保湿機能も高く、頭皮環境の改善作用も期待できます。
センブリエキス
厚生労働省がセンブリエキスと育毛有効成分と認めています。
医薬成分ではないものの、発毛に近い機能があると考えられている成分なのです。
センブリエキスは東アジアに自生するリンドウ科センブリ属の草からアルコールなどで抽出したエキスです。
苦味があり、胃腸薬としても親しまれてきました。
育毛剤に配合することで、皮膚温の上昇や皮膚毛細血管の増強などの作用が期待できます。
頭皮の新陳代謝の活性化も期待でき、多くの育毛剤に配合されている成分です。
酢酸トコフェロール
ビタミンE誘導体のことを指しています。
血行促進作用があり、血管を拡張子髪の毛が生えやすい状態にしてくれます。
他にも抗酸化作用や抗炎症作用があります。
塩化カルプロニウム(フロジン液)(カルプロニウム塩化物)
円形脱毛症の治療薬としても利用されており、医薬品ではありますが濃度によっては育毛剤に含めてもOKです。
医薬品として処方される塩化カルプロニウムの濃度は5%程度。一方で、育毛剤に含まれている塩化カルプロニウムの濃度は2%程度です。
塩化カルプロニウムには、毛細血管を拡張する作用があります。
副交感神経を刺激する作用があり、その影響で血管が拡張し塗布した周辺の血流が改善するのです。
ちなみに「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」でも、男性型脱毛症の治療に塩化カルプロニウムは推奨されています。
カルプロニウム塩化物を用いた,6 名の男性被験者を対象とした観察期間 1 カ月間の二重盲検非ランダム化比較試験において,6 例中 4 例で脱毛減少あるいは発毛がみられ,有効と判断された
出典:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
M-034エキス(海藻エキス)
育毛剤の成分として大ブームになったこともあるので、M-034エキス(海藻エキス)について聞いたことがある人も多いのではありませんか?
ワカメや昆布などのエキスを抽出して作られたものです。
海藻のネバネバに含まれている成分と活用しています。
血行促進だけではなく成長維持因子グロスファクターの活性化作用も期待されており、毛の退行を誘導するFGF5を抑制する因子「FGF55」の生成を促してくれます。
フィナステリド・フィナステリドと同様の効果が期待できる育毛剤に含まれている成分3つ
フィナステリドとデュタステリドに似た効果が期待できる育毛成分もあります。
性的な副作用が嫌な人は、紹介する成分が含まれている育毛剤を利用しましょう。
オウゴンエキス
シソ科の多年草「コガネバナ(黄金花)」の根から抽出されたエキスです。
男性型脱毛症の原因となる、ジヒドロテストステロンの生成量を減らす機能があるとされています。
ジヒドロテストステロンの生成に関わる5αリダクターゼを抑制する機能が確認されているのです。
他にも消炎作用や抗アレルギー作用、保湿作用などがあります。
ノコギリヤシ(ソーメルパット)
ノコギリヤシは塗布タイプの育毛剤ではなく、飲むタイプの育毛剤。
つまり育毛サプリメントに含まれている成分です。
ノコギリヤシは、アメリカやメキシコに生息しているヤシ科の植物です。
長いものになると樹齢が数百年という、極めて生命力の強い植物です。
ノコギリヤシにはⅠ型及びⅡ型 5αリダクターゼの働きを抑制する働きがあるとされ、男性型脱毛症の原因であるジヒドロテストステロンの生成量を減らす効果が期待できます。
ノコギリヤシの男性型脱毛症に対する効果も研究されており、
中程度のAGAと診断された患者100名を対象に、
・ノコギリヤシ(320mg/日)投与群(n=50)
あるいは
・フィナステリド(プロペシア)(1mg/日)投与群(n=50の2群について、2年間の投与試験が行われました。
有効性について、スコアインデックスが24か月の前後で写真判定されています。
解析の結果、発毛/育毛が認められた患者の割合は、
ノコギリヤシ群で38%、
フィナステリド群で68%でした。
以上の結果が出たそうです。
フィナステリドほどではないにしろ、男性型脱毛症に対し一定の効果が出たことは事実です。
ヒオウギエキス(ヒオウギ抽出液)
ヒオウギと呼ばれる植物の根から抽出されるエキスです。
ヒオウギエキスには、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをするイソフラボン誘導体を高濃度で含んでいます。
女性ホルモン的な作用を体内に入れることにより、男性型脱毛症の原因物質であるジヒドロテストソテロンを生成しにくくするわけです。
育毛剤が男性型脱毛症にもたらす効果まとめ
育毛剤には男性型脱毛症を改善させる機能を持つ育毛成分を配合しています。
医薬発毛剤に含まれるミノキシジルやフィナステリド、そしてデュタステリドと同様の作用が期待できる成分も含んでいるのです。
医薬品は作用が強いので、副作用に悩まされることも。
一方で育毛剤の成分は、働きが緩やかであるため安全性はピカイチです。
育毛剤でも発毛剤に近いような効果が得られる可能性が高いとわかったはずです。
より安全に薄毛を治したい、という人には育毛剤をおすすめします。